ユーロ/円相場は110円の節目を突破し、今年の高値を更新した。欧州債務問題の一服感でユーロ買い戻しの動きが強くなっている影響もあるが、それ以上に円売り圧力が強いことが、ユーロ買い・円売りを促している。
12月8日にはイタリアのモンティ首相が辞意を表明したことがユーロの上値を圧迫する場面も見られたが、大きな値動きには発展していない。同首相が次期政権発足まで政権を維持する考えを示したことや、12月の独ZEW景況指数が市場予測を大幅に上回ったことなどが、ユーロをサポートした。13~14日の欧州連合(EU)首脳会合では、経済通貨同盟(EMU)の完成に向けたロードマップについての決定を13年夏まで延期する方針を決定したが、これは規定路線とあって特に材料視されていない。目先は特に目立った政治イベントなどは見当たらず、経済指標程度しか注目する材料が見当たらない。19日に12月独Ifo企業景況間指数の発表が予定されているため、そこでユーロ高(円安)傾向にブレーキを書けるようなネガティブな数値が出てくるのかに注目したい。
一方、円サイドでは総選挙での自民党圧勝を受けて、短期的な円売り材料出尽くし感もあるが、本格的な調整圧力は先送りされている。19~20日の日銀金融政策決定会合で追加緩和策が発表されるとの期待感が強いが、目先は一時的な調整リスクに注意が必要。ただ、このまま欧州サイドに目立った動きがなければ、ユーロ高・円安基調に修正を迫るのは難しいだろう。少し大きめのレンジを想定しておきたい。
今後1週間の予想レンジは、108.00~112.50円。